ミジンコの成長について

寿命がおよそ1ヵ月あるかないか

ミジンコは水温に左右されますが、寿命がおよそ1ヵ月あるかないかと言われています。たった1ヵ月しか生きることができないのです。また自然環境下ではミジンコを食べる小魚たちがたくさんいるため寿命を全うできるミジンコは少ないと思われます。そんなミジンコたちが今まで絶滅せずにいたのは、成長速度と生殖機能に関連します。

ある論文によると、「タマミジンコの成長は餌であるグリーンウォーターの濃度によって変化した。成長のためには最適な濃度があり、それより濃度が高くても低くても成長は抑制され、子ミジンコの出産数および体長に影響を与えた。」

「 餌の量が十分にある状態ではタマミジンコは生後4日目で子を産み、およそ1~2 日間隔で出産を繰り返した。寿命は最長18日で、生涯出産回数は最大10回、1回の出産で最大19匹の子ミジンコを産んだ。」と述べています。

簡単に言うと、エサが多くても少なくても成長は抑制され、ミジンコの出産数や体長に大きく影響を与えます。なので、適度な餌の量を与えないといけないことが分かります。タマミジンコの成長過程は餌の量や水温などに大きく影響されるようです。この論文によってミジンコは短命でありながら、成長速度が非常に速いことが分かります。

どうやって増えるの?

生殖機能に関しては、単為生殖と有性生殖を環境によって、使い分けているのが特徴です。

ミジンコの単為生殖は、メスが卵を産み、精子が卵に入らず孵化するため、遺伝子はメスの遺伝子と全く同じクローンです。環境状態が悪化する、また個体数が増えすぎると、オスを生んで交配し、受精卵を作ると言われています。とてもユニークな生殖方法です。

しかし、2015年4月に東北大学からある研究の発表がありました。理科の教科書に掲載されているミジンコは、日本に固有種ではなく、北米由来の外来種だったと判明しました。

またもっと驚くべきことにミジンコは有性生殖能力を失い雌だけで世代を維持しており、遺伝的多様性が乏しく僅か4タイプの遺伝子型しか日本に分布していないことということが分かりました。

DNA解析をしたところ、今から700年~3000年前に日本に移入した2個体の直系子孫が、今日の日本で見られるミジンコのようです。この研究は、日本の歴史にも大きく影響を与えます。ペリーの黒船来航が1853年です。それよりも遥かに前に日本にたった2個体がたどり着き、定着できたのか大きな謎であり、とても興味深いです。

一方で上記の話を読んで、何か気付いたことがありませんか。もし単為生殖のみでミジンコが増え続けたら、異常気象や病気に弱く、絶滅してしまうのではないかということです。

事実、東北大学の研究報告によると日本のミジンコにおけるメスだけの単為生殖(論文では絶対単為生殖と説明している)では、理論上1000年程度で集団としての寿命を終えると計算されており、日本で見かけるミジンコは近い将来、日本から消えてしまうと言われています。

補足

日本から将来消えてしまうかもしれないミジンコは、理科の教科書に掲載されているミジンコ(Daphnia pulex)です。

「参考文献」

ミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった — 日本に生息する生物の意外な由来 —

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20150407_01web.pdf#search=%27%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B3+%E5%8D%B5+%E6%88%90%E9%95%B7%27

http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/science/ronnbunshu/h27/152013.pdf#search=%27%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B3+%E5%8D%B5+%E6%88%90%E9%95%B7%27

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